私の雑談 08☆小説

ご訪問有難うございます

私が二十歳の時から

愛読している

京極夏彦先生作

百鬼夜行シリーズの最新刊

「鵼の碑」(10巻目)

を見掛けたので購入し

拝読いたしました。

前作の「邪魅の雫」(９巻目)　より

１７年ぶりの新作です

この１０年間で、私の老眼もすっかり行き付き、

紙の書籍を読むよりは

電子書籍の方が良くね？

と思いつつ、しかし３０年近く買い続けた

ノベル本の続きを

今更、電子本で買うのもなぁ…

と思い、

今までどおり、ノベル本で購入しました

2025年07月ミニナ☆アラフィフ

「鵼の碑」-ぬえのいしぶみ-
☆感想

いや～今作もド分厚いですな
読むのに、１週間は掛かったかな～

京極夏彦先生作「百鬼夜行シリーズ」は１冊完結型ですので、

どの巻から読んでも、話の内容自体に支障はありませんが、

主要登場人物、いわゆる物語の核になる人物が、

前回の事件の伏線を回収したりもするので、

困惑しないよう、第１巻から順番に読む事を

お勧めします。

• *…..*…..*…..*…..*…..*…..*…..*

で、今作１７年ぶりの新作の感想は…

少々物足りなかったですかね(;^_^A

いや、１巻から7巻までの

出来が良すぎた所為かもしれません。

「百鬼夜行シリーズ」
☆全話の構成

全編(1～10巻)通して、

京極先生の物語のプロットは

①起 その巻の登場人物 (3～4人) の一人称視点で、彼らが体験した不思議な出来事や、不可解な謎を語りながら、物語が進む。 ②承 何人もが同じ不可解な体験をしているにも拘らず、それぞれが自分が主体の事件だと認識し、読者をも混乱させながら、謎が更に深まっていく。 ③転 謎が十分に深まり、混乱がピークに達した時、 「この世にはね、不思議なものなど何もないのだよ」と、 全編通しての主人公、中禅寺の謎解きが始まる。 ④結 何人もが体験し、幾重にも絡んだ不可解な出来事が、中禅寺によって、見事解き解されていく。起こるべき出来事が、幾人もの勘違いによって、複雑化されていただけの事だとわかる。 そして最後まで読んだ 読者(私)の感想は… あのミステリーを一般範囲内の常識で、全部解き切るとはっ 作者様、天才じゃね

という訳で、

読後は感嘆の嵐です

*…..*…..*…..*…..*…..*…..*…..*

でも、これだけは言っておかなければなりません。

どの巻も、まあまあの鬱展開です

それでも読むのが苦にならないのは、

謎解き担当の「中禅寺」や

明朗快活な探偵「榎木津」といった

主要キャラが魅力的に書かれているから

なのです。

ミステリー作家たるもの、鬱々とした展開を書くのは当然なのでしょうが、

それを支えるキャラが読者を魅了できなければ、

凡作になりうると思うのですね。

そう考えると、

「百鬼夜行シリーズ」

傑作と言えるのではないでしょうか。

※もちろん私感です。

ついでに全巻
☆私評してみました

京極夏彦作「百鬼夜行シリーズ」
① 姑獲鳥の夏	主な謎 「二十箇月もの間、子供を身籠っていることが出来ると思うかい？」から始まる衝撃の展開。 *…..*…..*…..*…..*…..*…..*…..* ★★★★★謎展開度 ※過去と現在が交錯、謎が絡み合う展開 ★★★★☆読後の爽快感 ※きれいに収まり納得
② 魍魎の匣	主な謎 ハコを拝む教祖と、巷を騒がすハコ入り連続殺人事件の関連性。そして誘拐された女学生の謎。 *…..*…..*…..*…..*…..*…..*…..* ★★★★★謎展開度 ※関連なさそうに見えて、地続きの謎が深い ★☆☆☆☆読後の爽快感 ※鬱展開過ぎて
③ 狂骨の夢	主な謎 「アケミ」という女性の話は妄想なのか？首無し死体で発見された元夫が首を生やして戻って来ては、返せという頭蓋骨の謎。二人の「アケミ」の過去がシンクロ…どちらの「アケミ」が本物か？ *…..*…..*…..*…..*…..*…..*…..* ★★★★★謎展開度 ※本物の「アケミ」は存在するのか？ ★★★★☆読後の爽快感 ※不思議な夢から醒めたような気持ち
④ 鉄鼠の檻	主な謎 空中浮遊する坊主の殺人事件と、山に囚われた坊主達の閉鎖的殺人事件に加え、成長しない少女「鈴」の謎。 *…..*…..*…..*…..*…..*…..*…..* ★★★★★謎展開度 ※「鈴」の存在の有無が謎に拍車をかける ★★☆☆☆読後の爽快感 ※遣り切れなさ過ぎて陰鬱
⑤ 絡新婦の理	主な謎 消えた目潰し殺人事件の犯人と、謎めいた儀式を行う女学園の少女達。そして儀式の中心人物である少女の行動たる所以。 *…..*…..*…..*…..*…..*…..*…..* ★★★★★謎展開度 ※複雑に絡んだ罠に謎が掛かって迷宮 ★★★☆☆読後の爽快感 ※巻き込まれの人死多く滅入る
⑥ ⑦ 塗仏の宴	主な謎 消えた村とその住人、まことしやかに囁かれる大量殺人が行われたという村の話との関連性。占い師や胡散臭し研修会も加わって、三つ巴に絡みあう怪異事件の行方とは。 *…..*…..*…..*…..*…..*…..*…..* ★★★★★謎展開度 ※神秘性に加え、登場人物の多さに謎が低迷する ★★★★★読後の爽快感 ※宴の謎解き後の解放感や馬鹿らしさに一息
⑧ 陰摩羅鬼の瑕	主な謎 「鳥の城」に住む博識の伯爵は、婚礼の当晩に花嫁の命を奪われるという過去が４度ある。そして５度の花嫁を迎え…今回も無残に奪われ悲しむ伯爵、犯人は誰なのか？ *…..*…..*…..*…..*…..*…..*…..* ★★★☆☆謎展開度 ※物語中盤で大筋が見えてくるが、真理は謎のまま終盤へ ★★★☆☆読後の爽快感 ※哀しい事実に救われぬ思い
⑨ 邪魅の雫	主な謎 旧華族の御曹司「榎木津」に見合話が。しかし乗り気だった筈の先方から突如謎の辞退、しかも相手娘は二人は引き籠り、もう一人は行方不明。誰が誰を謀っているのか分からぬまま、続く不可解な連続毒殺事件。 *…..*…..*…..*…..*…..*…..*…..* ★★★★☆謎展開度 ※誰が誰の殺人犯なのか推測出来るが、そに至るまでの過程が謎のままラストへ ★★☆☆☆読後の爽快感 ※全てが報われぬ展開に滅入る
⑩ 鵼の碑	主な謎 何に魅入られたのか？行方不明になった男性の真理と消えた3つの死体の謎。 *…..*…..*…..*…..*…..*…..*…..* ★★☆☆☆謎展開度 ※全作に比べると謎のスケールダウンは否めない ★★★☆☆読後の爽快感 ※良し悪しもなく、回収されなかった謎は次回作へ持ち越しそうな予感
1番のお勧め作品　「塗仏の宴」かな

私の
百鬼夜行雑談

私にしては珍しく真面目に私評いたしました

「百鬼夜行シリーズ」

第一巻購入からは

なんと３０年経過 しているのですね

何度も読んで擦り切れた他、

幼かった我が子のおもちゃ被害にあったりで、
※水鉄砲の的にされた涙

それはもうボロボロなのです

粗雑に扱っていた訳ではない、ですよ？

しかし３０年も経って、

まだ完結していないとは…

ジャンプ漫画「HUNTER×HUNTER」といい勝負ですな

大丈夫かね、私…最後まで読めるのか

リボンサーリンク

余談
☆うさぎの妖怪

「百鬼夜行*1」に参加する兎妖怪だそうです

…可愛くないような気が…いや妖怪だから
こんなものかしら…

老いた兎が妖怪に化けて鼓を鳴らしながら百鬼夜行の行列に参加するという伝承があります。袴姿で跳ね回る姿が描かれています。※AI概要より抜粋

ちなみにこちらは

漫画「夏目友人帳」に出てくる
☆兎モチーフの妖怪たち

可愛いッス
そしてこの兎妖怪ちゃん出演の回、
心温まる良き話で、好きです

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*1:日本の説話などに登場する深夜に徘徊をする鬼や妖怪の群れ、および、彼らの行進である。※Wikiより